ブラジル生活と「ありえない電気事情」その2

電気事情現地生活
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赤い風
赤い風

さて、前回の続きです。

前住居者の電気料金未払いのせいで、「もうすぐ電気が止まっちゃうクライシス」に直面した私は、この危機を回避できるのでしょうか?!

怒り心頭で電力会社の営業所を後にした私は、一路大家さんの家に向かうことに。

大家さんは私が住んでいるマンションの最上階に住んでいるのだが、満面の笑顔で出迎えてくれる。大家さんに請求書を見せて、これまでの経緯をすべて説明する・・・

大家:「あ~、そうなんだ。よくあることだよね。あ~この人ね。女の人なんだけど、家賃が払えなくなって、ここを出て行っちゃたんだよね。」

私:「そうなんですね。。。でも、この人が電気代を払ってくれないと、来週私の部屋の電気がすべて止まっちゃうんですよ。何とかしてくれませんか?」

大家:「わかった、わかった。私からこの人に連絡し、すぐに電気料金を払うように言っておくよ。またその人が振り込んだらそっちに連絡するから~」

私:「それは良かった!助かります。よろしくお願いします。」

と、こんな感じで最初の話は終わる。

これで一安心だ!と胸をなでおろしながら家に帰ったものの、よくよく考えてみると、「家賃も払えず出て行った人が、滞納している電気代を払うか?」と何やら不安な気分に。

でも、大家を信じてしばらく待ってみることに。

だが、電気停止までのカウントダウンはすでに始まっている・・・

待つこと数日、予想通り大家から何の返事もない。

もう一度こちらから大家さんに確認することに。

私:「すみません、先日の件、どうなりました?」

大家:「あ~、その人に連絡したよ。多分もう払ったんじゃないかな?」

私:「え?払ったかどうか確認出来てないんですか?その女性にもう一度確認してもらえませんか?」

大家:「いや~、払うって言ってる人にまた連絡するのは”Chato(シャット:ウザい)”よね。僕からは連絡できないなぁ~。その人が払ったどうか、電力会社の営業所まで行って確認したら?」

どう言っても、大家さんはその女性に連絡してくれそうにもない。

また営業所にまで行くしかない・・・

炎天下の中、またトボトボ歩いて営業所へ。

既に顔見知りになったパティちゃんに確認すると、予想通り「Que pena!!(残念ね!!) まだ払ってないわよ!!」と笑顔の回答。

もう勘弁してください・・・

怒りをはるかに通り越し、日本では決して経験することのできないであろうこの「こっけいな状況」を楽しむ気持ちも少し出てきたようだ。

この後、またまた大家さんの家に戻り、事情を説明し「ほんと何とかしてほしい。このままでは電気が止まってしまう。」と訴える。

実はこのあと、まだいろいろあったのだが、結局その女性は電気代を払うことはなかった。最終的には、大家さんがその女性の代わりに電気代を払って問題は一応解決したのである。

これにて、私の「もうすぐ電気が止まっちゃうクライシス」は無事回避できたのであった・・・。

今回の電気騒動は、ブラジル人の友人に聞くと何も珍しい話ではなく、ブラジルではよくあることだと・・・電気料金を払わずに逃げる人が多いため、とりっぱぐれがないために、電力会社は新しく住むことになった住民から徴収し、確実に回収することにしているらしい参考情報まで。

このブログの始めに「日本の常識、世界の非常識」という言葉を引用した。

何度も起こる予告なしの停電、やる気のない電力会社営業所、前住居者の未払いのために止められる電気、日本人の常識ではとても理解できなことだが、これが世界なのだ、ブラジルなのだ。

日本でいる時は、小さな問題にイライラすることもあったが、ここブラジルでの経験は私の「心のサイズ」をより大きいものにしてくれている。日本に戻ったときにはより寛大な心で物事に取り組むことが出来るはずだ!!

そう思えば、今回の経験も、人生を豊かにするための授業料だったのではないだろうか。

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