少し理屈っぽい話が続いていたので、今回は小ネタを少々・・・
みんな大好き「ブラジルのシャワー事情」です。
寒い夜に家に帰って、シャワーを浴びる。
ガスで温められた大量のお湯がサーっと出てきて、全身がホカホカに。いいですね。
日本にいると「ごく普通」のことです。
が、ここブラジルは「普通」のことではありません。
まず何が違うかといえば、なんとブラジルの「シャワー(Chuveiro)」は「電気」で温められているのです!
イメージがわかない人は、以下の写真をご覧ください。
引用元:Wikipédia, a enciclopédia livre
見えますか?
壁のコンセントから、電線が直接シャワー部に繋がっているのが。
そーなんです。
ブラジルのシャワーは、このプラスチックの本体の中に「スプリング状の電熱線」が入っていて、「電気の熱」で水を温めているのです。
日本のシャワーだと、「お湯の量」と「水の量」を調整して、熱さを決めますよね。
でもブラジルは、本体のダイヤルを回して「電気を強くするか」あるいは「電気を弱くするか」で温度を決めるのです。
でも電熱線で水を温めるって・・・
そんなので寒い冬に温かいお湯が出るの?
鋭い質問です。
出る訳がありません。
マックスの電圧は決まっているわけですよ。
ですから、水の量を多くすれば、相対的に水の温度が冷たくなる。
温かくしようとすると水の量を減らさないといけないので、チョロチョロのお湯になっちゃう・・・
2者択一ですね。
「水量のある生ぬるい水のシャワー」か「チョロチョロの温かい水のシャワー」か・・・
ホント、寒い冬の夜には究極の選択です。
でもちょっと待って。湿気だらけのシャワー室にコンセントと電熱線・・・
普通に考えたら疑問に思いますよね、「感電しないの?」って。
はい。気を付けないと、もちろん「感電」します。
シャワーを使っていないときは大丈夫なんですが、シャワーをしている時に、温度を調整しようとして本体を触ると、お約束通り感電します。
私の妻が以前、ホテルでシャワーを浴びているときに、見事に感電しました。
私は横の部屋にいたのですが、シャワー室から「ギャッ!」という妻の声が聞こえてきました。シャワーを使いながら温度調整のダイヤルを触ってしまったんですね・・・
幸い命に別状はありませんでしたが、一つ間違えたら・・・というところです。
あとでブラジル人の友人に話したら「よくそんなことしたね!そんなことブラジルではだれもしないよ。気を付けないとホントに死んじゃうよ。」だって。
外国人も泊るホテルなのに。日本なら絶対、英語で「あぶないよ」って説明書きとかありますよね。あ、ここはブラジルか・・・
問題は感電だけではありません。
さあ、いよいよ今回のブログも佳境に入ってきました。
湿気のある部屋で電線を繋いで使っているわけですから、だんだん電線の中に水が入ってきて、錆びてくるんですよ。
そしてそれが原因で「短絡(ショート)」が起こる。
まぁ、これは経験を通して分かったことなんですけどね・・・
ある冬の寒い夜のこと。
私が裸になって、シャワー室に入り、ダイヤルを回す。
チョロチョロと温かいお湯が出てくる。
そこに妻が洗面台にモノを取りに入ってくる。
(シャワー室には洗面台も付いているので)
そこで妻が私に一言。
私:「そんなことないやろ。気のせいやろ。火花とかおかしいし。」
妻:「そーかなぁ、確かに見えたんだけど。」
私:「いい、いい。大丈夫。」
と、その瞬間!!
シュー、パチパチパチ・・バァァァ~ン!!!メラメラメラ・・・
ものすごい爆音に、シャワーを見上げる私。
シャ、シャワーの電線から、紫色の炎が上がっている!!
シャワーが燃えているぅぅぅ!!!
出ていたお湯が氷のように冷たい水に変わる。
むき出しの電熱線がシャワーの水に触れたら、感電してしまう!!
寒さも忘れて、ブレーカーを切り、裸で消火活動にあたる私・・・
幸い、感電はしませんでしたが、ホントにすごい経験でした。
シャワーが紫色の炎を出して燃えるって・・・ねぇ
サンタ・カタリーナの電圧は220ボルトなので、ホントにやばいです。
これが燃えた後のシャワーの写真です。
日本では決してできない、貴重な経験でした。
さてさて、ブラジルのシャワーに関して学べた教訓は以下のようになります。
②コンセントとシャワー本体を繋いでいる銅線の状態を定期的に確認すること。
こういう経験をすると、本当に日本の生活がどれだけ便利で安定しているかに対する「感謝の気持ち」がこみ上げてきますよね。
わが祖国日本よ、快適な生活をありがとう!
日本にいる間はその素晴らしさに気づくことが出来なかったよ!
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