現地に住んで初めて分かる ブラジルの「医療事情」と「医療問題」

ブラジル医療事情現地生活
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オシャタマ
オシャタマ

前回の「民間療法」に続いて、今回は「ブラジルの医療事情と問題」に関して書くよ!

ブラジルに行く前、日本のブラジル人の友人から、「ブラジルは病院に行っても無料なんだよ。ブラジルの医療は日本より進んでるんだよ!これだけは日本に勝っていると言えるね。へっへー!」みたいなことをよく言われていました。

だから信じていたんです。ブラジルは医療大国で、無料で素晴らしい治療が受けれると・・・。

まぁ、そんなことはありませんよね。普通に考えれば。

ブラジルに住み始めてから思い知りましたよ、ホントに。

ブラジルの病院の種類

ブラジルには大きく分けて病院が2種類あります。

「公的な病院」:
 いわゆる誰が診察を受けても(ブラジル人でも外国人でも)無料で見てくれて、無料で基本的な薬を処方してくれる

「私立病院」:
いわゆる日本にあるのと同じ病院。高度な医療設備があり、有料である。

サンタカタリーナでは小さな町に住んでいたので、「公的な病院」というか「公的診療所(Posto de saúde)」しかありませんでした。

妻が体調を崩した時も、「病院で無料で診てもらえるぞ。やったー!」てな感じで、町のPosto de saúdeに行ったのですが、ブラジルの医療の現実を直に知る良い機会となったのでした・・・

では実体験に基づくブラジルの医療事情はどうだったのでしょうか?

ブラジルの医療事情の現実

別のブログでも妻の「外耳炎」のことを書きましたが、以下はその時の診療所での出来事です。

医療処置対応の現実 ケース①:

外耳炎の痛みがひどくなり、町に一つしかない診療所に行くことになる。

診療所内部はこんな感じです

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診察室に入ると、ハファエルという若いドクターが座っている。妻が外耳炎の症状を説明すると、ペンライト持って耳の中を見て、

「腫れてます。」

それで終わりです。チーン・・・

「そんなん、医者じゃなくても見たら分かるやんけ!!」と心の中で突っ込みました。何を聞いてもそれ以上のコメントはなし。帰りに点耳薬をもらって帰りました。

医療処置対応の現実 ケース②:

ドクター・ラファエルの処方した点耳薬が効かず、数日間、発熱が続く妻。

日曜日だったので、緊急受付へ行くことに。

こちらが緊急受付棟

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当直の看護師がドクターを呼びに行くが、全然出てこない・・・

妻は高熱でしんどそう。

かなりたってパウロという初老で巨漢の医者が登場。

休みの日だったので不機嫌です。

妻が症状を話しているのに、ドクター・パウロは突然話を遮る。

パ:「ハイハイ、だいたい症状は分かった。ところで、あんたたち日本人か?なんでこの町にいるの?」

私:「え・・・、この町でボランティア活動をしています・・。」

パ:「お~、そのボランティアのことは知っている。実は川向こうの町の病院で同じボランティア活動をしている私の知り合いがいるんだ。」

私:「あぁ、そうですか。というかですね、先生、妻の症状は・・・」

パ:「ここにその人の連絡先を書くからな。ちょっと待って。」

(書き書き・・)

私:「先生、妻の熱が高いんですが、何かよく効く薬を・・・」

パ:「ほら、書けたぞ。これが彼女の名前だ。そして電話番号も。すぐに連絡してみなさい。な~に、パウロから連絡先を聞いたって言えば何の問題もない!!ガッハッハ」

私:「・・・・」

パウロ先生様は、「処方箋の用紙」にその友人の名前と電話番号を書いてくれ、「無くすんじゃないぞ」と大事そうに手渡してくれました。

「じゃ、注射でも打って帰ってね。ダニエラ!!(看護師の名前)、あとは任せたぞ。それじゃね。神の祝福がありますように!」

そう言い残して、パウロ先生様は結局大した診察もせず去っていったのでした。

診察室の中で、あっけにとられる私たち夫婦・・・

本当にすごい診察でした。

立て続けに2つも。

でもまだ妻の身に、悲劇は続くのです・・・。

隣の部屋に移り看護師のダニエラさんに抗生物質の注射をしてもらうことに。

妻は腕をまくり、スタンバイ。

ところがダニーが、

「何してんの?反対方向を向いて、パンツを下ろしてちょうだい。」

と一言。

慌てる妻・・・

そうなんです。ブラジルは未だにお尻に注射を打つのです!!

ダニーが注射をする部分を消毒する。

しかし、妻が言うにはアルコールが付いているわけでもなく、ただの脱脂綿でこすられただけだと。

そして、太い注射針で、お尻の両方の部分にブスッ!

ダブル激痛です。

驚いたのは、注射が終わっても、日本でするみたいに止血のシールなんて貼らないんですね。

家に帰ってから見ると、パンツに右側と左側、2本の血の筋が上から下へと生々しく残っていました。

確かにブラジルの公的病院・診療所は「無料」である。

でも、無料にふさわしい医者の「質」と「態度」をまざまざと見させて頂きました。

でも、お金がない貧しいブラジル人の皆さんは、こういう病院にしか行けないんですよ。私立病院は数か月分の給料でも足りないくらい請求されるんですよ。

ブラジルの医療の問題を垣間見た瞬間でした。

学んだ教訓です。
①ブラジルの田舎町では何があっても病気になってはならない
②ブラジルに行くときは必ず「公的病院」で使える医療保険に入っておく
③病気になったら「公的な病院」に行く
④健康に心配のある人は、「公的な病院」のある比較的大きな町に住む

いろいろ問題も多いけど、そんなブラジルを私たちは愛しています。

え?嘘っぽい?

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