あなたはポルトガル語を学ぼうと思っていますか、それとも学び始めたばかりですか?
これは、ポルトガル語を学び始めた人が持つごく普通の疑問です。
わたしはポルトガル語が話せるようになって、本当に良かったと思っています。
ブラジル人の持つ「青空のような陽気さ」、そして「炎のような愛」を、ポルトガル語を話すことでダイレクトに理解できるのは、本当に素晴らしいことです。
みなさんに同じ感動をぜひ経験してもらいたいと願い、私自身が【独学】でポルトガル語を学んだ経験を、この記事を通して少しでもお伝えできればと思っています。
少し長い記事だけど、ぜひ最後まで読んでみてね! ブログではなくて「ちょっとした本」のつもりで読んだらいいかも。
「話せるポルトガル語」は日本にいながら【独学】で身に付けることができるのです!
わたしは今ではブラジル人とポルトガル語で不自由なく会話が出来ていますが、語学学校に通ったことはありません。
日本にいながら【独学】で学び、現地のブラジル人に十分通じるポルトガル語を身に付けることができました。
これからポルトガル語を学ぼうとしている皆さん、どうぞ安心してください。
語学学校に行かなくても、基本の「5つの方法」をしっかり行えば、話せるポルトガル語を身に着けることは可能なのです。
① まずは聞くべし、とにかく聞くべし!【赤ちゃん学習法】
② 基礎教本を購入し、文法を学ぶべし!
③ とにかく音読すべし!
④ とにかく書くべし!
⑤ とにかく話すべし!
だた、その「5つの方法」の説明を始める前に、まずみなさんにしっかり理解しておいてもらいたいことが3つあります。
①【独学】とは「ひとり」で学ぶことではありません
ここでいう「独学」とは、「自分一人で机に座ってひたすら文法書を読み、単語を覚え、作文をし、リスニングを行うだけ」という意味ではありません。
その方法では、「ポルトガル語のテスト」で100点は取れても、「話せるポルトガル語」を身に着けることはできません。それは、学生時代の英語の勉強で、残念ながら私たちは経験ずみですよね・・・(笑
「独学」は、「語学学校」に行かないというだけであって、文字通り「ひとりで学ぶ」ことだと勘違いしてはいけません。
1人でどんなに勉強しても、突然ポルトガル語が話せるようになるということは「絶対に」ありません。
この記事で出てくる「独学」とはこんな感じです。
「素振り(イメージトレーニング)」だけではなく、飛んでくる「実物のボール」を打たないと野球がうまくなりませんよね。
ポルトガル語の勉強を行う中でも、学んだこと(インプットしたこと)を「使う場面」を自分で見つけてアウトプットする必要があります。
学校に行っていると、そうしたアウトプットの機会を自動的に与えてくれます。ブラジル人の先生とか、他の生徒さんとか。
でも「独学」の場合は、自分でしなければいけません。
それこそが、「独学」なのです。
②「すぐにペラペラ」やっぱりそんな奇跡はおこらない
よく語学教材の宣伝文句にありますよね、「たった3ヵ月でペラペラ話せるようになる!」、みたいなのが。
基本的にゼロから新しい言語を学んで、3ヵ月やそこらでペラペラになるということはまずありません。
そんな「奇跡」は起こらないのです。
自分の経験から言うと、今回の記事でお伝えする「5つの方法」をしっかり行っても、最低限の「話せるポルトガル語」が身に付くまで、少なくとも1年はかかると思います。
それも、ペラペラではなく、「ブラジル人の言っていることがなんとなく分かるようになり、自分の思っていることを何とか通じる程度に話すことが出来る」というレベルです。
宣伝文句を信じてしまうと、その分「挫折感」が大きくなって、言語を学ぶのをやめてしまいます。
ぜひ、「現実的な見方」を持ちましょう。
もう一度言います。
③ 「坂道」ではなく「階段」のようにレベルアップする
何かに努力して取り組むとき、その成果がすぐに見える方がうれしいし、頑張れますよね。
理想は「努力」と「結果」が坂道のような関係で目に見えることです。つまり、頑張れば頑張るほど、すぐに成果を実感できることです。
でも、言語の習得はそうした「坂道関係」のような結果は出ません。
「階段」のような関係なのです。
つまり、頑張ってポルトガル語を勉強しても、全然成果が見えない、相手の言っていることが分からない、うまく話せないという期間がずーっと続きます。
でも、頑張って続けていると、ある瞬間に急に階段のように自分の言語能力が急に「立ち上がった」ような感覚になります。
そしてまた、何の成果も感じることの出来ない期間がずーっと続き、ある時、急に「階段のように直角にレベルアップ」したのを実感するのです。
この関係性をしっかり理解しておくことが、ポルトガル語を「挫折」せずに独学で学んでいくうえで、大事な要素です。
ここまでで、ポルトガル語を独学していくうえで理解してほしい、「3つのポイント」を説明しました。
「過大な期待」は「大きな挫折」につながります。
現実的な期待をもって、ポルトガル語の独学を楽しんでいきましょう!
では、いよいよ、「【独学】で「話せるポルトガル語」を身に着ける5つの方法」を1つずつ説明していきますね。
以下のことをしっかり理解すること!
①「独学」とは「ひとりで学ぶこと」ではない
② 奇跡は起こらない、最低1年を覚悟せよ
③ ポルトガル語は「階段」のようにレベルアップする
方法その1:まずはポルトガル語を聞くべし、とにかく聞くべし!
「まずは聞きなさい!」と聞くと、不思議に思うかもしれません。
日本人的には新しい言語を学ぶときには、まず参考書を買って「文法」を勉強しなくてはいけないんじゃないの?って考えますよね。
それも確かに必要です。
時々、「聞き流しているだけで話せるようになる!」っていう教材がありますが、私はそういうことを言っているのではありません。聞いているだけでは、やはり話せるようになりません。
ポルトガル語を聞をひたすら聞きながらも、並行して文法を勉強する必要はあります。
そうであっても、あえてわたしが「まずはポルトガル語を聞くべし!意味が分からなくても聞くべし!」と言うのには理由があります。
なぜ、とにかく聞くべきなの?
その理由を説明するときに、私は「赤ちゃん学習法」という言葉をよく使います。
赤ちゃんのように言語を学ぶことが、一番自然な「話せるポルトガル語」を体得する方法だと思うのです。
赤ちゃんはどのようにして言語を学びますか?
参考書を読んだり、辞書を開いたりしませんよね。
ただひたすら、お母さんやお父さん、家族、近所の人、様々な人の話す言葉を「聞き続け」、ある時、急に言葉を発するようになります。
最初は発音のマネだけかもしれませんが、そのうち言葉の意味を理解しながら話すようになるのです。
まずは大量のヒアリングを行う「赤ちゃん学習法」には以下の3つのメリットがあります。
①「ネイティブの発音」を聞き取ることができる
初めてポルトガル語を聞いたとき、ただの「意味の分からない連続する音」にしか聞こえないと思います。
赤ちゃんと同じ状態ですね。
でも、文法的な勉強をしながら、何十時間、何百時間、ポルトガル語を聞いていくうちに、以下の変化が「頭の中」で起こり始めます。
↓
②意味の分からない「区切りのある音」
↓
③時々意味の分かる「単語」
↓
④時々意味の分かる「文章」
↓
⑤だいたい意味の分かる「文章」
ブラジル人と簡単な会話できるようになるには、最低③~④のレベルが必要です。
つまり、相手の話していることを理解できないと「会話」にならないのです。
理解さえできれば、知っている単語を並べたり、身振り手振りで何とかコミュニケーションをとることができるのです。
相手が何を話しているかを出来るだけ早く聞き取るためにも、「赤ちゃん学習法」は効果的です。
②「ネイティブの“ような”発音」で話すことができる。
もう一つの「赤ちゃん学習法」のメリットです。
それは、ネイティブのような発音を身に着けることができるということですね。
「ネイティブのように発音する」、誰もが憧れることです。
でも、日本人がネイティブのような発音をするのを「邪魔するもの」があります。
それは「カタカナ」です。
カタカナは便利なツールで、どんな外国語でもカタカナを使えば簡単に「発音」を表すことができます。
しかし、この便利さが致命的な悪影響を及ぼすのです。
ポルトガル語の中には「カタカナ」で表すことのできない発音が意外とあります。
教科書にはカタカナでポルトガル語の読み仮名が書かれていますが、そうしたものを先にたくさん読んでしまうと、自分の頭の中で「カタカナ」に変換された発音で覚えてしまいます。
自分が慣れ親しんできた日本語の音で全てがインプットされてしまうのです。
それが頭に入ってしまうと、ずーっと直らないし、自分でもなかなか気づきません。
当然、頭の中にない音は発音できませんので、いわゆる「カタカナ発音」になってしまうのです。
「読むより先に聞く」という「赤ちゃん学習法」を実践することによって、ネイティブのような発音を身に着けることが出来るのです。
③「ネイティブの“ような”イントネーション」で話すことができる
ポルトガル語は「単語ごと」の正しい発音に加えて、「文章」としての独特のイントネーション、つまり文章全体としての「リズム」「発音の強弱(うねり)」のようなものがあります。
「赤ちゃん学習法」を実践し、とにかく大量のネイティブの発音を聞くことによって、その正しいイントネーションを無意識に頭の中に染み込ませることができるのです。
そうすれば、日本語のような強弱のあまりない話し方ではなく、ポルトガル語が持つ独特のリズム感や「イントネーション」で話すことが出来るようになるのです。
ここまで、「なぜまず聞くべきなのか?」を考えました。
なぜまず聞くべきなのか?
①「ネイティブの発音」を聞き取ることができる
②「ネイティブの“ような”発音」で話すことができる。
③「ネイティブの“ような”イントネーション」で話すことができる。
どのくらい聞けばいいの?ずばり1,000時間です!
わたしが英語を勉強しているときに、「1,000時間、英語を聞き続けて初めて、脳が目覚める」という本を読んだことがありました。
わたしはその言葉を信じて、その当時私は文法を勉強しながらも、1日平均3時間ポルトガル語を聞いていました。
最初はブラジル人の友人の話すポルトガル語が全然聞き取れなくて、挫折しかかったときも確かにありました。
でも、「赤ちゃん学習法」を続けていると、少しずつですが「階段式」にヒアリング能力が上がることを感じます。
そして、「1年後」、トータルで約1,000時間ポルトガル語を聞き続けた後に、ブラジル人の話すことが大体理解できていることを実感したのです。
まずは、「1,000時間」、ポルトガル語を聞き続けることを目標にするピヨ!
何を聞けばいいの?ずばり「ネイティブの本気の会話」です。
「1,000時間、聞きなさい」と言われても、何を聞いたらいいの?と思うかもしれませんね。
ずばり、「ネイティブがいつも話しているポルトガル語」です!
ポルトガル語の教材にはCDやDVDが付いていますが、そういう「人工的」なポルトガル語を聞いてもあまり意味はありません。
ブラジル人が外国人に手加減して話しているポルトガル語ではなく、「本気のポルトガル語会話」を聞き続ける必要があるのです。
では、これから「赤ちゃん学習法」のために使えるヒアリング情報源を以下に紹介しますね。
代表的な番組のリンクを張っておきますが、YouTubeで番組名を検索すると、すぐにたくさん番組が出てくると思います。
ポルトガル語を「1,000時間」を目指して聞き続けるっピー!
①テレビ番組
ブラジルのテレビ司会者の大御所ジョー・ソアレスのトーク番組ですが、「笑っていいとも」の「テレフォンショッキング」みたいな感じですね。 有名な芸能人、歌手、政治家、宗教家、役者、学者、様々な人をインタビューする番組ですので、「生のポルトガル語会話」を聞くことが出来ます。 彼はリオデジャネイロの人なので、少しサンパウロとは発音が違いますが、私はこの人のポルトガル語の発音がすごく好きです。
人気の司会者Danilo Gentiliのトーク番組です。コンセプトはPrograma do Jóと同じで、様々な職種、立場、肩書の人をステージに呼び、インタビューする番組です。時にはブラジルの大統領もインタビューに出るなど、バラエティーに富んだインタビュー番組です。 彼の話すポルトガル語は非常にはっきりしているので、いい発音の勉強になると思いますし、「今どき」のポルトガル語を学ぶにはいい番組だと思います。
②ニュース
日曜日の夜に毎週放送される大人気の番組です。その週のニュース、ドキュメンタリー、テーマを絞っての特集番組など、ニュースに少しエンターテインメントの要素を含めた構成です。 日本の文化のことなんかも時々取り上げられます。幅広くポルトガル語を学ぶのにはもってこいの番組ですね。ちょっと大げさなところもありますが、それはご愛嬌ということで・・・
土日以外は基本的に毎日放送されていて、ブラジル全体のニュースを幅広く扱っています。エンターテインメント的な要素はあまりありません。 各地にいるレポーターが中継を行い、純粋なニュースを聞くことが出来ます。基本的に犯罪とか、政治とか、スポーツとか、そうした分野のポルトガル語を学ぶのにはぴったりです。
Jornal da Tardeと同じ系列です。基本的にニュースを伝えますが、文化的な要素が大きく、教育者や学者を毎回ゲストに呼んで、テーマごとにディスカッションをする形式です。少し学問的なポルトガル語を学ぶのに最適かと思います。
③映画
【フランシスコの2人の息子】
わたしの大好きなブラジル映画ですが、セルタネージョ(ブラジルの演歌みたいなもんですかね?)の有名な歌手ゼゼ・ヂ・カマルゴ&ルシアーノが、どのように苦労して一流のミュージシャンになったか実話に基づく内容となっています。 ポルトガル語の勉強もさることながら、この映画の中で、ブラジルの多くの人がどのような生活を送っているのか、また貧しくてもどのようにたくましく生きているのかを垣間見ることが出来ます。
【セントラル・ステーション】
ベルリン国際映画祭グランプリ受賞他、多くの国で賞を獲得したブラジル映画です。 リオデジャネイロの中央駅で、手紙の代筆を仕事としている女性が、母親を亡くした少年の父親探しの旅に付き合うというストーリーです。人生を悲観していた孤独な女性と無邪気な男の子が旅をしていく中で、人を愛する心を取り戻していくという、感動的な内容となっています。 派手なアクションシーンなどはありませんが、しっとりと時間が流れていくのを楽しむことが出来ます。
何をどれくらい聞けばいいの?
① ブラジル人が外国人に手加減して話しているポルトガル語ではなく、「本気のポルトガル語会話」を聞き続ける必要があります。
② まずは「1,000時間」を目指して聞き続けましょう!
その2:ポルトガル語の基礎教本を購入し、文法を学ぶべし!
ポルトガル語を聞くことは大事ですが、「話せるポルトガル語」を身に着けるには、やはり「文法」を学び、「単語」を覚える必要があります。
「赤ちゃん学習法」と「文法の勉強」は並行して行うこと!
そこが赤ちゃんにはできないところですね。
わたし達は、聞くだけでなく、読んで学ぶことが出来ます。このメリットを活用しない方法はありません。
でも、どんなポルトガル語の学習教材を購入したらいいのでしょうか?
本屋さんに行くと、英語ほどではありませんが、たくさんのポルトガル語の教本が売られていますね。
ネットでググってみても、かなりの数の教本がヒットします。
最終的には皆さんが一番使いやすいと感じるものを購入してもらったらいいのですが、私がポルトガル語を学ぶ時に使った教本・辞書を以下に紹介します。
文法書はどれがいい?
文法書を何冊も購入して、「つまみ食い読み」するのはお勧めしません。
1つか2つの本を選んで、それを徹底的に読んだ方が、系統立って文法を学ぶことができるのでいいと思います。
「ゼロから始めるブラジル・ポルトガル語 」
「ゼロから」と書いているように、本当のポルトガル語初心者にお勧めです。 あまりごちゃごちゃ書いていないため、基本的な文法をよく理解することが出来ますし、ところどころに「手書きの赤ペン」でポイントが強調されていますので、読みやすいつくりとなっています。私がポルトガル語を勉強する中で一番参考にした本かもしれません。
「ブラジルのポルトガル語入門」
こちらの本は、単元ごとに基本会話があり、その会話の中で使われている文法を説明していく構成です。詳しい文法の説明もあって少し見た目がごちゃごちゃしていますが、文法に関して「かゆい所に手が届く」内容となっています。
文法に加えて、ブラジルの習慣や文化などに関するコラムもあって、内容は充実しています。
「初級ブラジルポルトガル語」
これはいかにも文法書のような雰囲気を出している本です。前述の2つの文法書に比べて、あまり詳しい説明はありません。
それぞれの単元の中で基本的な文法が扱われていますが、特にいいのは、たくさんの例文が載せられていますので、「あ~、この文法はこんな風に使ったらいいんだ」という感じでポルトガル語を学ぶことが出来ます。
「ブラジル人による生きたブラジルポルトガル語 中級―基礎をとことん学びたい人のために」
上記3つの文法書をすべて合わせたような構成となっています。ポルトガル語の語学学校などで使われそうな文法書ですね。
カラフルで、挿絵や表形式の説明も多く、練習問題をするページもあります。初心者がポルトガル語を学ぶ上でよくできた文法書だと思います。
「観ること」「聞くこと」を中心とした教材を探している方は、以下のオンライン講座もおすすめです。
辞書はどれがいい?
ポルトガル語を学ぶ上で、辞書は必須です。
ポルトガル語は一つの単語にたくさんの意味のある言語なので、辞書である単語の意味を調べる時に、「あ~、この単語にはこんな意味もあるんだ」と新しい発見があります。
基本的に「ポル語⇒日本語」と「日本語⇒ポル語」の辞書があった方がいいでしょう。
「現代ポルトガル語辞典」
「現代日葡辞典(コンパクト版)」
「この日本語、ポルトガル語でなんていうんだろう?」って思うときがあります。Googleなんかで調べても、いまひとつ意味が違う・・・そんな時に役に立つ辞書です。
例文も豊富なので、辞書を見ているだけで結構勉強になりますよ!
参考書はどれがいい?
文法書だけではカバーしきれていない「便利な熟語」「手紙・メールの書き方」「気の利いた表現」「会話集」などは、他の参考書で学ぶことが出来ます。
ただ、ネットで調べると数も多く、迷うときもありますが、その中でも使いやすいものを紹介します。
「ポルトガル語重要基本構文275」
「日本語のこの表現、ポルトガル語でなんていうのかなぁ?」って感じることが勉強していると出てきます。この本は「慣用句」や「熟語」を集めたものです。
たとえば「あなたの代わりに行きます」って言いたいときに、「~代わりに」ってなんて言うんだっけ?と疑問に思ったときに、この本を使うことが出来ます。
一つの構文に対して、いくつかの例文があり、使い方を学ぶことが出来ます。文法的な説明はあまりありませんが、「日本語のこの言い回しを、ポルトガル語でどう言えばいいか」が分かる教材となっています。
「手紙・メールのポルトガル語」
手紙やメールの独特の表現ってありますよね。履歴書を書く場合、恋人に書く場合、友人に手紙やメールを書く場合、ファンレターを書く場合、フォーマルな場面からプライベートな場面まで「話す」ことより「書く」ことを中心に扱った参考書です。
様々なシチュエーションを想定して説明がありますので、非常に使いやすい本です。
「指さし会話帳 ブラジル」
この本の魅力は何と言っても「漫画チック」にポルトガル語を学べるということです。
どのようなシチュエーションでどのようなポルトガル語を使うのか、漫画で説明していますので、非常にイメージしやすい構成となっています。楽しみながらポルトガル語を学ぶのにお勧めの一冊です。
「語研『ポルトガル語基本単語2000』」
とにかく単語を覚えたいという方にお勧めです。カテゴリー毎に分けて、生活の中でよく使うポルトガル語単語を学ぶことが出来ます。コンパクトなサイズなので、表に出る時に持って行って読むことも出来るでしょうあ。
「ポルトガル語の会話エッセンス」
とにかく自然なポルトガル語会話の定型文を学びたいという方にお勧めです。文法だけを学んでも、どのように会話的に表現すればいいのか分からないときがあります。
この参考書の中では文法について説明してはいませんが、シチュエーションごとにポルトガル語の例文、そして日本語の訳が付いていますので、会話の決まり文句などを覚えるのにもってこいの本です。
基礎教本を購入し、文法を学ぶべし!
①「赤ちゃん学習法」でポルトガル語の発音を覚えるだけでは不十分です。並行して「文法」を学び「単語」を覚え、覚えたポルトガル語の「音」の意味を理解する必要があります。
②「文法書」や「参考書」はたくさんの本が売られていますが、それぞれ1つか2つだけ絞って、それを徹底的に学ぶようにしましょう。
その3:とにかくポルトガル語を音読すべし!
ここまでで、「赤ちゃん学習法」そして「文法書の勉強」などインプットを中心に考えてきました。
しかし、最初にわたしは「独学」を以下のように定義しました。
つまり、黙々と勉強してインプットだけしていても、「話せるポルトガル語」は身に付きません。
必ず「アウトプット」を「インプット」と共に行う必要があるのです。
では最初のアウトプットの方法を考えましょう。
それは「音読」です。
書いていることを口に出して読むということです。
「音読」のいいところは、自分の「音読の声」を自分の耳で同時に聞いていますので、インプットも兼ねているというところにあります。
「赤ちゃん学習法」によって、なんとなくポルトガル語の発音も分かってきました。そして、文法書を見て、ポルトガル語の発音の法則も分かってきました。
それではさっそく「音読」してみましょう!
言語の勉強はやはり、書かれているものを正しく「音読」できることが重要です。「正しく読める」ということは「正しく話せる」ということに繋がるのです。
音読教材は「文法書の例文」や「オンライン新聞」で十分
基本的に何を音読しても大丈夫です。
今勉強しているポルトガル語教本の例文でも、ポルトガル語新聞でも、ポルトガル語の書籍でも、好きなものを音読してみましょう。
わたしがポルトガル語を勉強していた時によく音読に使っていたポルトガル語新聞を紹介します。
【Folha de S.Paulo】
ブラジルのサンパウロの有力新聞です。サンパウロだけのニュースではなく、ブラジル全土、さらには世界のニュースも扱っています。 政治、犯罪、スポーツ、娯楽、いろいろなトピックが扱われていて幅広くポルトガル語を学ぶことが出来ます。
【O GLOBO】
こちらはリオデジャネイロの新聞です。 サンパウロとリオデジャネイロの新聞2社を押さえておけば、とりあえずは大丈夫です。
音読するときは「自分の声を録音して聞く」ことが必要です
「音読」だけで終わらせてはいけません。自分の声を録音して、聞いてみましょう。
文法書でポルトガル語の発音を学び、「赤ちゃん学習法」で文章のイントネーションも分かってきました。
音読すると結構スムーズに読めたりして、「自分、なかなかイケてるんじゃないか?」って思っちゃう時期があります。
そんな時に「自分の録音されたポルトガル語」を聞いたら衝撃を受けますよ、ホントに。
わたしもそうでした。
全然ダメなんですよ。自分のイメージと現実の激しいギャップを嫌というほど実感させられます。
でも、この現実をきちんと受け止めることが出来るかどうかで、「話せるポルトガル語」が身に付くかどうかが決まります。
「音読&録音」から逃げていると、自分流の「日本式カタカタ発音」やイントネーションが癖になり、あとで直すのはとても難しくなるのです。
自分の発音のどこが、ネイティブの発音と違うかをよく比較して、自分の発音を修正する・・・、この繰り返しがポルトガル語の上達に繋がります。
もしブラジル人の友人がいるなら、ラインとかWhatsAppで録音したデータを送って聞いてもらおう!
ただ、ブラジル人は優しいので、「すごい上手だよ!ブラジル人みたい!」ってほめてくれます。でも、それを頭から信じてはいけませんよ。
わたしの経験から言うと、最低3回「いやいや、そんなことないよね。小さな点でもいいから、発音でおかしいところがあったら教えて」と言わなければ、ブラジル人のみなさんは教えてくれません。
ポルトガル語を学び始めた時の録音データをぜひ取っておこう!
1年後のその録音を聞いたら、本当に自分のポルトガル語の上達レベルにびっくりしますよ。
他の人と比べるのはあまり生産的ではありませんが、過去の自分と比べて上達を実感できれば、ポルトガル語の勉強がさらに楽しくなります。
とにかく音読すべし!
① 音読は文法の勉強を始めた早い段階から行うこと
② 音読したら録音して必ず自分で聞くこと
③ ブラジル人の友人にお願いしてネイティブチェックを受けること
その4:とにかくポルトガル語を書くべし!
「音読」の次は「ポルトガル語を書く」というアウトプットが大事です。
話すときはある意味「フィーリング」でポルトガル語を使うことが出来ても、「書く」となると、やはり文法をかなり意識することになります。
書くことは「正しい文法」を身に着けるための重要な方法です。
でも何を書くの?「日記」「メール」「メッセージ」なんでもありです!
まずは「日記」を書くことをお勧めします。
自分が今日したこと、感じたこと、何でも大丈夫です。
書こうとすると必ず分からない単語や表現が出てきます。その時に、辞書や文法書、単語集などを開いて、調べて書く。
この繰り返しが「話せるポルトガル語」を身に着ける、遠いようで「一番の近道」なんです。
大事なのは「短め」の日記にすることですね。長い文にしようとすると継続できません。
1週間に1回「長い日記」を書くよりは、すごく短い日記を「毎日」書きましょう。その方が効果は大きいのです。
日記風にして、今日したことを書いてもいいし、相手のことを聞いてもいいし、とにかくこれまでインプットしてきたことを「アウトプットする機会」を積極的に探していきましょう。
書いた後はどうするの?ブラジル人に添削をお願いしてください!
日記でもメッセージでも、ブラジル人に添削をお願いしましょう。
相手に見てもらうことを考えたら、電子的に日記を書いて、WhatsAppなんかで送るのも一つの方法です!
ただ、さっき「自分の声を録音」のところでも話しましたが、ブラジル人の皆さんは、すぐに悪いところを教えくれません。勉強を始めたばかりの人を傷つけたくないと、すごく気を使ってくれます。
3回ぐらい「ホントに小さな部分でいいから、間違っているところ教えて」って言わないと教えてくれません。
本当に「話せるポルトガル語」を身に着けたいのなら、これは必ずしなければなりませんよ。
最初の「大丈夫だよ!」という言葉で安心したらいけないよ!
とにかく書くべし!
・書くのは「日記」でも「メール」でもなんでも大丈夫
・大事なのは少しでも必ず毎日書くこと
・書いた後は、ブラジル人の友人にお願いしてネイティブチェックを受けること
その5:とにかくポルトガル語を話すべし!
「書く」ことに加えて、この「話す」というアウトプットは特に大事です。
言語勉強というのは「テストの点数」のためではなく、「ブラジル人とのコミュニケーション」のためにするものです。
何を話すの?ずばり、あなたの「家族」や「友達」に話すのと同じことです!
「でも、何を話したらいいの?」って思うあなた、特別なことを話す必要はないんですよ。
職場や学校、家族と話すようなことを話せばいいんです。
今週の出来事、今日したこと、来週しようと思っていること、あれ食べた、これ買った・・・話すことはいっぱいです!
どうしても話すことがないなら、こんなことも話せるかも。
・ブラジルのニュースを見ててよく分からなかったこと
・ブラジルの文化
・ブラジルの食べ物
・ポルトガル語の文法のこと
「話す話題がない」と思う人は、もしかしたら日本語でもあまり人と話さない方なのかもしれません。
無口で人の話を聞くのが好きなのもいいことかもしれませんが、「話せるポルトガル語」を身に着けるためには「何かをポルトガル語で話す」というアウトプットは絶対に必要です。
難しく感じるかもしれませんが、ぜひ少しだけ「自分の背中を押して」あげましょう!
誰に話すの?ずばり、 近くにいる日本語の出来ないブラジル人にです!
あなたの生活の中で、話が出来そうなブラジル人はいますか?
よーく、考えてみてください。
もしかしたらこんなところにブラジル人はいるかもしれません。
・会社の同僚
・同じアパートに住んでいる人
・近所の人
・スーパーで買い物している人
・ブラジル製品を売っている店
・ブラジル人の教会
ここで大事なのは、ブラジル人はブラジル人でも、「日本語の出来ないブラジル人」と話すことです。
日本語のできるブラジル人は、私たちがポルトガル語でつまってしまうと、すぐ日本語で話してくれます。でも、それではポルトガル語の勉強になりません。
日本語の通じないブラジル人に、何とか自分の知っているポルトガル語の単語や文法をひねり出してコミュニケーションを取る、この努力が「話せるポルトガル語」を身に付けるために大事なのです。
ブラジル人と話をする時は、いつも「メモ」と「ペン」の用意をお忘れなく。 (今でしたらスマホのメモ機能でも大丈夫です)
会話の中で、相手の話した単語やフレーズが分からなければ、すぐにメモするっピー!
家に帰って意味を調べてもいいし、その場でブラジル人に意味を聞きましょう。
そして、メモしたポルトガル語はその1週間、自分の生活の中でなるべく優先的に使うことが大事です。
そうすれば、ポルトガル語のボキャブラリーがどんどん増えていきます。
会話が出来るブラジル人が近くにいない場合は?ずばりネットで探しましょう!
どんなに探しても、会話が出来るブラジル人がいない、でもポルトガル語を上達させたい。
そんなアナタには、「最後の手段」があります。
インターネット上で、会話が出来るブラジル人を探すという方法です。
ただ、やみくもに探していると、変な人と友達になってしまい、危険なことがありますから、やはり信頼できるブラジル人を探すのが大事です。
多くの人に利用されている「40ヶ国対応の語学教室【欧米アジア語学センター】」というサイトがあります。
ここでは、ポルトガル語のオンラインレッスンを受けることができます。
一度アクセスしてもらえば分かると思いますが、スキルの高い教師が登録されていて、ネイティブのブラジル人からポルトガル語を教わることが出来ます。
日本語とポルトガル語の両方が出来る教師もいるので、安心ですね!
「言語学校に通わず、独学で!」と考えているかもしれませんが、どうしても話す人がいないなら、最後の手段としてこの方法を使うこともできるかもしれません。
家庭教師とは言っても、この時間はネイティブのブラジル人と話をする貴重な機会となりますので、「ブラジル人と話したい、でも私の周りには話せる人がいない」という場合には、このサイトを活用してみましょう。
とにかく話すべし!
・話すことは、普段「家族」「友人」に話すのと同じこと
・日本語の出来ないブラジル人を積極的に見つけましょう
・どうしてもブラジル人が見つからない場合は「Preply」を活用しましょう
「質問し放題」のオンライン講座に関心のある方はこちら ⇒「ポル語る講座」
「独学ポルトガル語」に関して最後に少しだけ精神論を・・・
ポルトガル語の習得は「技術的」なものだけではなく、やはり「精神的」なものも大きく関係します。
わたしがポルトガル語を独学で学んだとき、またポルトガル語を学んでいる他の人たちを見たとき、以下の精神的な要素が重要だと感じています。
「恥ずかしい」は言語上達の最大の敵
「人一倍ポルトガル語を勉強しているのに話せない。」、そうした人たちに共通しているのは「間違ったら恥ずかしい」という気持ちです。
これは日本の教育の影響もあると思うんですよね。
学生時代、英語の勉強は「テストで点を取るため」でした。
誰かと英語でコミュニケーションを取るために学んでいたのではありません。文法とか発音で間違うと、授業の時に恥ずかしい思いをすることもありました。
「間違う=恥ずかしいこと」と頭の中に擦り込まれているのです!
そこの感情からはなかなか抜け出せないんですよね。私もそうです。
でも、本当に「話せるポルトガル語」を身に着けたいのなら、これを身に付けないといけません。
「自分の失敗を笑える余裕」、これです!
ブラジル人と話していると必ず「間違ったポルトガル語」を話すことはあります。
そういうとき、もしかしたらブラジル人から笑われるかもしれません。
でもそれはバカにした笑いではありませんよ。ブラジル人はそんなことをするような人たちではありません。
わたし達が日本語を勉強している外国人を見てほほえましい気持ちになるのと同じです。
それで、もし間違っても「必要以上に恥ずかしがらない」でください。
間違うということは、前に進んでいる証拠です。
小さい子供が歩き始めた時に、最初は何度も転びますよね。でも、そのうちしっかり歩けるようになる。
でも、ずーっと椅子に座って歩かないと、転ぶことはしませんが、一生歩くことはできませんよね。
「失敗した」というのは、挫折してポルトガル語を学ぶのをやめた時だって覚えておくピヨ!
学び続けているのなら、それは「失敗」ではなく、「成功」への貴重なワンステップなのです。
しょせんはただの道具
時々、言語の勉強で文法とか発音で「完ぺき主義」になる人がいます。
不完全な状態で言語を話すことが許せなくて、毎日鬼のように勉強しますが、結局、話すことが出来ない人たちです。
やめましょう、そうした「言語完ぺき主義」は。大事なのはこれです。
「言語なんて、ただのコミュニケーションの道具」という開き直り
ブラジルで生活しているときも、完ぺきなポルトガル語を話している人なんかほとんどいませんでしたよ。
日本人の方が、正確な文法をよく知っていて、ブラジル人のポルトガル語を直していたぐらいです。
でも、みんなポルトガル語で楽しくおしゃべりしている。
わたし達がポルトガル語を勉強している目的をもう一度思い出しましょう。
ポルトガル語学者になるわけでも、テストで100点を取るためでもありません。
目的は「ブラジル人の皆さんと楽しくコミュニケーションを取るため!」です!
言語の勉強は手段であって、目的ではないのです。
そのことを忘れないようにしましょう。
継続は力なり
よく、「どのくらい勉強したら、ブラジル人の言っていることが分かるようになりますか?」「どのくらいしたらポルトガル語を話せるようになりますか?」って聞かれることがあります。
そんな時、私はいつも答えます。
「勉強を始めて【ただ過ぎた時間】の問題ではない。【インプットとアウトプットにどれだけ時間を使ったか】である」と。
「どのくらい聞けばいいの?ずばり1,000時間です!」のところで説明したように、やはり一つの目安は「1,000時間のヒアリング(これはブラジル人との会話の時間も入ります)」です。
もしあなたが、毎日3時間ポルトガル語を聞くことが出来れば、そして同時にこれまで考えてきた「アウトプット」を継続的に行えば、1年くらいで最低限「話せるポルトガル語」を身に着けることが出来るでしょう。
しかし、1時間しか毎日時間を取れないのなら、それは何年にもなることでしょう。
やはり、言語の勉強はつまるところ「継続は力なり」なんですね。
近道はないんです。「努力した分」しか上達しないんです。
学習教材の宣伝文句に騙されてはいけません。
能力の問題ではなく、あきらめず、毎日コツコツできた人だけが、「話せるポルトガル語」を身に着けることが出来るのです。
最後に少しだけ精神論を・・・
・「恥ずかしい失敗」ではなく「成功への貴重なワンステップ」と考える
・「ただのコミュニケーションの道具」と開き直り、完ぺきを望まない
・ あきらめず「継続できた人」だけが話せるようになる
まとめ
今回のブログはかなり長編となってしまいました。
最後まで読んでくださり、本当にありがとうございました。
わたしは、ポルトガル語を話せるようになって、本当に良かったと思っています。
わたしと同じような経験をしてもらいたいと願い、今回の「独学で話せるポルトガル語が身に付く5つの方法」を執筆するに至りました。
① まずは聞くべし、とにかく聞くべし!
② 基礎教本を購入し、文法を学ぶべし!
③ とにかく音読すべし!
④ とにかく書くべし!
⑤ とにかく話すべし!
ポルトガル語を話せるということは、ブラジル人のみなさんと直接コミュニケーションを取ることが出来るということです。
日本にはまだ20万人以上のブラジル人が住んでいるので、日本にいながらポルトガル語を話せる機会も多いと言えます。
日本の反対側にある国ブラジル、私たちと考え方も文化も正反対の国ブラジル。
ポルトガル語というコミュニケーション・ツールによって、私たちはそうした違いを乗り越え、その言語という閉ざされた扉を開き、彼らのことを直接知り合うことが出来るのです。
そうです、アミーゴになることが出来るのです。
皆さんが今回の「【独学】で「話せるポルトガル語」を身に着ける「5つの方法」」を実践し、そうした楽しい経験ができることを心から願っています。
最後まで読んでいただいて、本当にありがとうございました!
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