なるほど分かった!ブラジル人の「意思表示」と「心理状態」の複雑な関係

意思表示と心理状態ブラジル人
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赤い風
赤い風

ブラジル人の皆さんと会話をしていると、見えている「言葉」と実際の「心理状態」の間の違いが、日本人より大きいことに気づきます。この記事では、ブラジル人の「言葉」「心理状態」複雑な関係を分かりやすく説明します。ブラジル人と接する機会のある人には、参考になる記事だと思います。

前置きをひとつ・・・

今回も引き続き「独断と偏見」による記事です。

一つの意見としてご理解ください。

最近はコミュニケーションの手段として、ソーシャルネットワークを使うことが多くなりました。

ブラジルでは「WhatsApp」をほとんどの人が使っています。 もうほんと、中毒の様にみんな使っています。

スーパーとか警察に行っても、受付の人は接客しながらWhatsAppで友達にメッセージを送ったりしています。さすがブラジル、そういうところ大好きだよ!!

ブラジル人の「意思表示」と「心理状態」の関係性

少し脱線しましたが、話を戻します・・・。

ブラジルで生活をしていると、時々メッセージを送って、ブラジル人の友人に何かを頼むことがあります。

そんな時、日本人として、なんとも言えない違和感を感じることがあります

ケースごとにブラジル人の「意思表示」と「心理状態」の関係を見ていきましょう!

ケース①「したかったけど、できる状態ではなかった」

例えば、「パウロ、~を来週の月曜日までにお願いできる?」と聞くと、即座に「大丈夫だよ。僕に任せといて!(Tudo bem, mano!! Deixa comigo!!)」って返事がメッセージで返ってきます。

しかし、月曜日になっても返事がないので、こちらから「あれどうなった?」って聞いたら、「まだだね。自分でしたい?」みたいな返事が返ってくるときがあるんですよ。

いや「自分でしたい?」って、自分でするんだったら初めから頼まないから・・・

それに出来てないんなら、早めに連絡しなよ・・・って思うわけですよ。

あとになって確認すると、パウロくんは頼んだことを「したかった」けど、そもそも「出来る状態ではなかった」ことが分かったりします。

これはブラジル人の「点の思考」に繋がる部分ですね。詳しくは以下のブログで。

ケース②「できるけど、やりたくなかった」

「パウロ、この仕事を私たちはしないといけないんだけど、あなた、来週の月曜日までにできる?」とメッセージを送ってお願いすると、「了解。ちょっと考えるね。(Ok. Vou pensar um pouco.)」とメッセージが返ってきます。

しかし、何日たっても返事が返ってこない・・・

たまりかねて「どうなの?できるの?」と聞く。

そしたら、出来るのか出来ないのか分からない中途半端な返事が返ってくるんですよ。

そして、「え?じゃあできないの?私がしようか?」って、突っ込んで聞くと。

Você que sabe…..ってメッセージが・・・

でました!伝家の宝刀!Você que sabe.

ポルトガル語の便利な表現なんですよね~。日本語でなんと訳したらいいんでしょうかねぇ。

ブラジル人が「できない時」とか「したくない時」に、自分の口から言いたくないので、相手にそのことを言わせる表現なんですよ、これ。

で、後で分かるのが、パウロ君は、この仕事をやろうと思えば「できる」けど、もともと「やりたくなかった」ということ。

ケース③「したくないし、できる状態でもなかった」

パウロくんにメッセージを送って、何かをお願いします。 しかし、既読になっているのに、全く返事がありません。

何度確認しても、返事がありません。

仕方ないので電話して確認すると、パウロくんは、そのお願いを「したくない」し、「できる状態でない」ことが分かります。

「どっちでもいいけど、なんか返事しなよ」って思う瞬間です。

以上、ブラジル人の「意思表示」「心理状態」に関して、3つのケースを説明しました。

「意思表示」と「心理状態」をグラフ化すると?!

私なりに、この「関係性」をグラフで表すと以下のようになります。

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少し、図から説明します。

「領域A」について

ここは「したい!」、そして「出来る!」の領域です。
 

何かお願いすると「やります!」という返事が返ってきて、すぐにやってくれます。文句なしです!

「領域B」について

ここは「したい!」、でも「出来ない」の領域です。
 

日本人なら謙虚に「すみません、ぜひさせて頂きたいのですが、私の今の能力や状況では出来そうにありません。依頼をお受けすることはできません。」と言うところですが、ポジティブなブラジル人の皆さんはそうではありません!

「出来ないのは分かってるけど、やってみたいやん!!」ということで、「やります!」と即座に言ってしまうのです・・・そう、悪気はないんですよ。つい言っちゃうだけなんです。

そして後で話がややこしくなります。

ですから基本的に「領域A」「領域B」の場合は、ブラジル人から「やります!」って返事が返ってくることになります。

「領域C」について

ここは、「出来る」けど「したくない」という領域です。
 

ブラジル人にとって、「出来るかどうか」よりも、「したいかどうか」の方がすごく大事なんですよ。

でもブラジル人は、相手の頼みを断りたくないんですよ、傾向として。

かっこ悪いって思うんですかね?あるいは「やろうと思えばできる」からちょっと罪悪感もあるんですね。私には分かりませんが・・・

それで、「ちょっと考えます」って言うんですね。

心では「しない」って決まっているんですよ。でも、あわよくば時間が経って、相手がそのことを忘れてくれないかな・・・みたいな。

ブラジル人同士ならこのあたりが暗黙の了解なんですよね。 「あ、この人したくないんだな」って分かるんですよ。

だから、それ以上頼みません。別の人に頼みます。

でも、日本人・・・その辺が分かっていない日本人・・・ 返事を待ってるんですね。そして、聞いちゃうんです。 「あの件、どうなった?」って?

ブラジル人からしたら、「え~、そんなこと聞いてくる?察しろよ。」って思ってるはずです。

でも、自分から断りたくない。 それで、するのかしないのかはっきりしない中途半端な返事を返してきます。

そして、理解できな日本人が「え?出来るの、出来ないの?私がした方がいい?」って聞くと、そうです、この伝家の宝刀の登場です。

Você que sabe.

まぁ、ちょっと意訳になりますが、「あんたが決めて」って感じですかね。

ここでようやく日本人も気づきます。あ~、この人したくないんだなって。 そしてこちらから「了解、私がします。」って言うことになるのです。

そしたらお約束のフレーズ、「あなたがしたいんならどうぞしてください!」

「いやいや、その返事おかしいだろ!」「したくないんだったら、最初から言えよな~」って思いますけど、ブラジル人からすれば、それは言いたくない、相手の口から言わせたいってことです。

「領域D」について

ここは、「したくない」「出来ない」最悪ゾーンです。
 

このゾーンに入るお願いをメッセージで送るとどうなるか? そうです、返事がきません。チーン

既読スルーです、いわゆる「シカト」です。

分かりやすいですよね。間違っても電話で確認してはいけません。 何もなかったように終わらせるのです。

面白いことに、次の日に直接その人に会っても、相手からそのことを話題にすることはありません。当然こちらもすべきではありません。

そして、何週間かしたら、向こうから聞いてくるんです。 「あの件、どうなった?」って。

それだけ時間が経っていると、もう頼まれることはないだろうって思ってるんですね。 かわいいですね。そういう、ブラジル人の自分に正直なところが私は大好きです。

まとめ:つまりどうしたらいいの?

オシャタマ
オシャタマ

じゃ、結局 ブラジル人に何かお願いをしたときは何に気を付けたらいいのぉ??

赤い風
赤い風

 つまり、こういうことだね。

①「やります!」と言われても、「B領域」の可能性があるので、大事な案件の時は「本当にできる能力、状態にあるのか」を確認すべし!!

「ちょっと考えます。」と言われたら、やる気がないと察すべし!!

返事がない場合は、電話などしないように。あきらめて別の人を探すべし!!

こうしたことは、愛するブラジル人の皆さんと共に生活していると見えてくる部分です。

最初のころは、「約束を破った」とか「うそをついた」とか「不誠実だ!」なんて、日本人の基準でブラジル人の皆さんを裁いてしまいがちなのですが、こうした意思表示の背後にどんな「心理状態」があるかをよく理解できると、それほど気にならないようになります。

「相手への理解こそが、共生の道なのです」

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