おそるべし!ブラジルの「民間療法」

民間医療現地生活
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今日は小ネタをひとつ。

また別のブログで詳しく書こうと思っていますが、ブラジルの小さな町って、いい病院がないんですよ・・・

「Posto de Saúde」っていう「気休め的な診療所」はあるんですが、専門医がいる訳でもなく、一人のお医者さんが全ての症状を診てるって感じ。

もちろん、日中しか開いてませんし、土日祝日は休みです。さらにブラジルはこうした診療所は無料なので、いつも大勢の人が順番待ちをしている・・・(もちろん大きな町は別ですけど)

私たちがサンタ・カタリーナで住んでいた、愛してやまない小さな町は、レントゲン1枚撮るごときでも、予約した上に、別の日に隣町の病院に行かないといけないくらいなのです。

そんなわけで、「絶対に病気になったらいかん!」っていう危機感を持って、毎日生活していました。

これが私たちの町の「Posto de Saúde」です。

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でも、私の妻は時々体調が悪くなってしまうんですよ・・・。

風邪とかならいいんですけど、妻は季節が寒くなると「外耳炎(Otite)」になっちゃうんです。(サンタ・カタリーナの冬は寒いですよ~)

私はなったことがないので分からないんですが、あれって本当に痛いんですってね。

耳の穴が全部ふさがってしまうくらい、腫れるんですよ。

熱も出ますし、耳の奥で刺すような痛みが何日も続く・・・

見ていて本当にかわいそうです。

でもなぜか妻って、病院が休みの土曜日とか日曜日に外耳炎になるんですよ。

緊急の場合は救急車を呼ぶか、夜間受付に行くかなんですが、歩いて行くのも遠い、車がない、町が小さすぎてタクシーなんて存在しない・・・・

それで、月曜日が来るまで何とか我慢しようってことになるんです。

でも、痛い・・・月曜日まで耐えられない。どうする?

そんな時に、ブラジル人の友人に連絡して聞いたら、看護師の友人に連絡を取ってくれました。

しばらくするとワッツアップにボイスメッセージが届く。

どうやらその看護師のボイスメッセージを転送してくれたようです。

聞いてみると・・・

「ホントにかわいそうね。私が力になってあげるわ。すぐに外耳炎が治る方法を教えてあげる!」

心強い言葉です。安心しました。感動しましたね、ホントに。

そして続く言葉に、夫婦で耳を傾ける。

「あなたの家にタマネギはあるかしら?まずそれを半分に切ってちょうだい。そして、それを電子レンジに入れて30秒チンしてごらんなさい。」

ふむふむ、よかったタマネギは家にある。その後、どうするのか?

「温まったタマネギを断面の方を下にして、痛い耳の上に置いてごらんなさい。30分くらい経つと外耳炎は治るわよ。よかったわね!」

・・・・マジですか?

看護師さんだから信用してもいいよね?

台所に行って、言われて通りにタマネギを半分に切る。

しかし、我が家には電子レンジがない、どうする?

そうだ、ビニール袋に入れてお湯で温めたらいいんだ。同じことだよね。

なんとか、特効薬が完成しました。

ホカホカになったタマネギを持って妻の所に戻る。

「は~い、外耳炎の特効薬が出来たよ。横を向いて寝て下さ~い。」

横向きになった妻の耳の上に、ホッカホカのタマネギを乗せる。

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30分待つ・・・・

「すごい、ウソみたいに外耳炎が治った!信じられない!」
・・・って結果を期待してたんですが、そんなことをは残念ながら起きませんでした

そうだよね、そんなこと起きないよね。起きるはずないよね・・・。

少しは期待してたんだよ・・・うん

結局、妻は月曜日に診療所に行って、お尻に太い針の抗生物質の注射をされてよくなりましたとさ。

とまあ、こんな感じでブラジルには都市伝説的な「民間療法」がたくさんあります。

やっぱり病院がないから、どうしても自分たちで何とかするしかないんですね。

そうした皆さんの苦労が、こうした「民間療法」を増産していくんですね。

でも、わざわざ見知らぬ私たちのために、長いボイスメッセージまで送ってきて、治療法を教えてくれたその看護師の方には感謝です。

ブラジルに住んでいると、こうした見知らぬ人からの人間味のある気遣いや、優しさに接することが多いです。

今回のことも、効いたとか効かなかったとか、そういう話ではなくて、純粋にブラジル人の親切に感動することが出来ました。

でも、今になって思うんですよね。

ちゃんと電子レンジでタマネギを温めてたら、妻の外耳炎は治ってたのかなって・・・(笑

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